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おカネ考

家族でカリフォルニア州の北半分を一週間かけて自動車旅行したことがある。
途中モントレイ市に立寄り、
あの「ペブルビーチゴルフクラブ」を(プレーせずに)見学した。
「綺麗な景色!」と歓声を上げる家族を横目に、
よくもこんなゴルフ場をカネにあかして買い上げたものだなぁと
80年代の日本資本による米国不動産投資のすさまじさに感慨に耽っていた。
9年間米国金融市場に勤務した経験を総括して、
おカネを支配する者(国)は
それ相応の政治力とリーダーシップ(周囲からの尊敬)と品格が
必要とされるものだとつくづく思う。


80年代、カリフォルニア州の金融資産の40%を
日系金融機関が支配していたというが、
おカネはあっても、政治力も米国民からの尊敬も得られなかった
日本資本はその後国際金融市場からの撤退を余儀なくされた。

上記ペブルビーチも俳優のクリント=イーストウッド氏(後にモントレイ市長)が
代表する投資組合を通して米国人の手に買い戻されている。
カリフォルニアで政治力だけはあるヒスパニック系の銀行も、
それだけでは市場を支配することは出来ない。

「カネで買えないものは何も無い」
「要は皆さん、儲けているボクが羨ましいんでしょ!」
と言い放った日本の若手経営者や投資家のみならず、
「俺が死んだら、ゴッホの絵画を棺桶に入れて一緒に焼いてくれ」
と言ったという老獪な経済人の言動にも溜息をついてしまう。
尤もせっせと寄付や社会還元に励む米国のビリオネア達も
(勿論神様から示されてやっている人もいるかもしれないが)、
実際のところ「成り上がり者」と言われたくない、
社会から認められたい、尊敬されたいと案外必死なのかもしれない。


ヒト(や会社や国)には「器」というものがあり、
その器以上のおカネを手にいれても、使い方を誤るだけだ。
持ち過ぎていると反って不幸である。ヒトも会社もまた国も、
支配出来るおカネが増えれば増えるほど、それ相応に政治力をつけ、
しかも周りから尊敬されるように、身を慎んで品性の陶冶に努めるべきなのである
( 「蛇のようにさとく、鳩のように素直であれ」 ) 。

企業でいうなら、IPO出来るぐらいに会社が大きくなれば、
単に投資家を保護する為というだけではなく、
その会社が上場するのに相応しく、
その法人としての品格を高めておくべきだというのが、
日本版SOX法の精神なのではないか。
手数料欲しさに証券会社と取引所が、
(基準さえ満たせば)どんな企業でも安易に上場させてきた挙句の果てが
今の新興市場の混乱である。

不真実と偽りを私から遠ざけて下さい。
貧しさも富も私に与えず、ただ私に定められた分の食物で私を養って下さい。
私が食べ飽きて、あなたを否み、「主とは誰だ」と言わないために。
また私が貧しくて盗みをし、私の神の御名を汚すことのないために。
箴言30:8~9


by oveja negra(オベッハ・ネグラ)

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by covenanty | 2007-06-09 09:24 | 政治・経済・社会