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ラッパの響き

年の初めに、元気づけのため「ラッパ」について少しばかりお話しいたしましょう。虎猫自身が、以前にアマチュア・オーケストラでテューバ(最低音を受け持つ大きなラッパ)を担当していたので、ラッパと聞くだけで元気が出てきます。

ラッパという金管楽器は、ずいぶん昔からあるようです。以下、聖書の記述や音楽史などから・・・。

1.聖書の記述
ラッパという言葉は茎とか管という意味のヘブライ語に由来するとされます。
青銅又は銀製の吹奏楽器で、直管をなし先端が朝顔状に広がっています。
聖書で初めて登場するのは、レビ記23章24節。
詳しく紹介されているのは民数記10章です。銀のラッパを2本作り、祭司であるアロンの子らが吹き鳴らして、会衆の召集や出発の命令、戦闘開始の合図として、さらに祝祭などの喜びのときに用いられることが記されています。

新約ではイエス様の再臨のときにラッパが吹き鳴らされます(マタイ24章31節。第1コリント15章52節、第1テサロニケ4章16節参照)。黙示録8章以下ではラッパを吹く7人の天使の記述があります。終わりの日に選民が集められることに関連しています。
(参考:「新共同訳聖書『聖書辞典』」新教出版社など)

2.怒りの日(ディエス・イレ、Dies irae)
この終わりの日について、「怒りの日」として、モーツアルトやヴェルディの「レクイエム」に描かれています。
ラッパや打楽器が登場する壮大な音楽です。黙示録の描写を、大作曲家たちが見事に音楽として表しています。

3.音楽史より
ラッパの語源としてはオランダ語、サンスクリット語、中国語など諸説ありますが、金管楽器、とくにバルブなど音程調節装置がない単純な構造のものをさすとされています。唇の振動だけで音の高低を調節するので、ドミソドなどの音しか基本的には出せません。軍隊ラッパが典型です。
正露丸のラッパのコマーシャルがその一例です。このメロディは陸軍の食事の合図のラッパだそうです。日露戦争で下痢に苦しむ兵隊さんに飲ませた薬(クレオソート)がよく効いたので「征露丸」として発売され、後に「征」を「正」に変えたものです。

金管楽器の祖先は新石器時代にさかのぼるという説もあります。
古代エジプトでも金属製軍用楽器があったとされますし、旧約聖書で記載されている直管のラッパがトランペットの始祖ではないかとも言われています。
ギリシャ・ローマ時代には管の長さが1mを超えるラッパなども使用されており、これらがトランペットの始まりではないかともされているようです。
この時代を描いた映画では、兵士たちがそれらしい楽器を演奏しているシーンをよく見ます。
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さて、私たちは、自らへの主のご命令を伝えるラッパの合図を正しく聴き分けているでしょうか。なによりも、再臨のラッパへの備えができているでしょうか。書いているうちにいささか自信がなくなってきました。。
改めてわが耳を澄まし、心を整え、この1年に臨んでいきましょう。

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虎猫
by covenanty | 2015-01-11 20:24 | エッセイ