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夏休み子供投資教育

ここ数年夏休みの時期になると、証券会社が小・中学生やその親相手に(彼らの目的はその親である)株式投資教育セミナーを開催するようになった。
子供の好きなゲーム感覚で株式投資シミュレーションをさせ、どれだけ儲けたかを実感させることにより、「投資の意味を理解させ経済感覚を養う」というものだ。
最近は一部の公立中学の先生まで、授業中に株式投資シミュレーションをさせているらしい。本屋に行くと株式投資や投資信託、外為先物投資の本ばっかりだ。あのバブルの頃の拝金主義がまた始まっている。

仕事の関係で消費者金融について(貸す方の視点から)少し聞くことがあった。
それで知ったのは、世の中には収入と支出のバランスが崩れている人が如何に多いかということだ。
制服を着た普通の若いOLが、如何にも気軽にサラ金の自動機におカネを借りに来る。しかも既に他社からの借入が相当膨らんでいる(機械の裏側にいると判るのです)。
一体何にそんなにおカネがいるのだろう。病気の親でも居るのか。若いのに実は子だくさんで生活が苦しいのか。相手が若い女性客だと色々空想も膨らむというものだが、そこはプロたるもの、淡々と個人情報だけは入手して、上手にお引き取り頂くのだそうだ。

かの官僚上がりのファンドマネージャーは、中学生の頃に父親からポンと百万円だかを渡されて株式投資を体で覚え、高校時代から会社四季報を愛読していたらしい。
自分が如何に優れたファンドマネージャーかを誇示する為のエピソードなのだろうが、今となっては「教育の失敗例」としか言う他ない。
自分で収入を得ない子供に株式投資なんてとんでもないことである。

子供にはまずしっかりと「お小遣い帳」を作らせ、お小遣いの範囲で支出を我慢することを教えるべきだ。お小遣いを渡す前には必ず「お小遣い帳」の残高と手持ち現金を突合する「現金検査」をし、記録に間違いや誤魔化しが無いか確認する。収支が合うようになったら、支出を抑えて、投資ではなく貯蓄に回させ、将来もし大きな買物をしたくなった時に備えさせる。貯めてから使うことを教えるのである。

学校で子供に経済教育を施したいのならば、経済・金融基礎理論の入り口だけ教えるべきだ。
そうすれば、国がわざわざ信用力に劣る銀行の定期預金よりも高い金利をつけて国債を発行しなければならないこの矛盾を考えるキッカケにもなり、本当の社会教育やこの国の将来のことを考える機会にも繋がるだろう。
おカネ儲けが悪いのではない。株式市場はゼロサム経済である。
誰かが儲かれば、別の人が損をしているのだ(中学の先生はこのことを知っているのか)。
自分だけが賢く振舞い、自分だけが儲けることを教えても子供の為にはならないし、まして学校で先生が教えるような事では決してない。

貧しさも富も私に与えず、ただ私に定められた分の食物で私を養って下さい。私が食べ飽きて、あなたを否み「主とは誰だ」と言わないために。また私が貧しくて盗みをし、私の神の御名を汚すことのないために。(箴言30:8-9) 

普通の人が、個人で管理できる経済の範囲はせいぜいこの程度だと思うのだが、如何だろうか。

                            by oveja negra
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by covenanty | 2007-08-07 23:41 | 政治・経済・社会