難病が変えたもの

読売新聞で私(虎猫)と同じ「チャーグ・ストラウス症候群」に罹った大学の先生の話が掲載されていると伺いました。
珍しい病気なので、ご興味ある方は厚生労働省のサイトをご覧ください。
アレルギー性肉芽腫性血管炎 (チャーグ・ストラウス症候群
外敵が侵入したのではなく、自分の体の中でテロリストが急増して暴れている、それだけに始末に負えない、といったところでしょうか。
この新聞記事は病院近くの図書館でコピーして、主治医の先生方にも差し上げました。

読売新聞朝刊7月24日(水)25日(木)
「医療ルネッサンス」NO5621~5622
「難病とともに 私の物語」(早稲田大学教授豊永郁子さん:政治学者)

豊永さんの語られた言葉を少しご紹介します(引用個所はカッコ書き太字です)。
「男性社会の中で、常に厳しい生存競争の物差しをあてられ、意識的に頑張っていた。
病気になって、そこから自由になれた気がします。
死を実感するような体験に比べれば、すべてが小さなことにも思えてきました。」


チャーグ・ストラウス症候群は、国内での新規罹患者が年間100名程度という珍しい病気です。私が入院していた大学病院でも、新規の患者さんは年間数名程度と伺いました。
早稲田大学の学生には「君たちは、すごい希少生物を今、目の前にしています」と語られるそうです(どうやら私も「すごい希少生物」の仲間入りです。心してご覧あれ!)

「宅の机に「仕事の三か条」を掲げた。
①共同での仕事はしない。
②外に出かける仕事はしない。
③締め切りのある仕事はしない。」


過去のご自身の論文を絶版にしてやり直します。
「不満もあったこの仕事を『ちゃんと直してから死にたい』という思いが強かった」
現代の日本政治を材料に辛口の論文を書く時も
「『誰に嫌われても構わない。言っておくべきことは言わなければいけない。』と腹が据わった。」

なお、同シリーズの7月19日(金)、22日(火)では、声楽家重藤(しげとう)啓子さんの記事が掲載されています。この方は別の難病にかかっておられます。

難病になると、どうしても攻撃的になり、人を傷つける行動をとりがちになります。
震災被害者などでもよくみられる行動です。重藤さんも、お医者さんに攻撃的な行動をしたり、わざと約束をたがえて困らせたりしたそうです。

変えられたのは、5年ほど前。
「局部麻酔でカテーテル(細い管)を鎖骨付近に入れる手術をした時、だれかに一喝されたように感じた。
『お前は、なぜここまで生かしてもらったのかわかっているのか!』
以来、目が覚めたように患者会の活動にも心血を注ぐようになった。」


私は幸いに2か月の入院で退院できました。
通院しての治療は相当期間続きますが一区切りつきました。62歳にして、新しい人生の始まりです。退院直前に上記の記事に接することができたのも、主の恵みと感謝します。

私がお世話になった看護師さんは、いま妊娠6か月。12月ご出産予定です。
退院前にこのように申し上げました。
「元気な赤ちゃんを産んでください。
私がその赤ちゃんに年金・健康保険の保険料を払っていただけるようになるまで、私も頑張って長生きしますから。」

虎猫
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by covenanty | 2013-08-21 19:06 | エッセイ