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福祉を変える経営を読んで

 昨年、「福祉を変える経営」という本を読んだ。ヤマト運輸の元社長で、ヤマト福祉財団の理事長の、小倉昌男さんが書かれた著書である。日経BP社から出版されている。この本はわかりやすくてすぐに読めてしまう。ポイントは、福祉社業所と言われている所においては、福祉の心と同時に、経営の視点がないとだめであるということが、書かれている。
 
 確かに、福祉という分野はマーケットメカニズムとは対極にある分野かもしれない。しかしながら、福祉作業所は、障害者の方にとって、働く場である。働く以上は、たくさん売れた方がいいし、給料も高い方が、やる気も出るし、自立にもつながる。そこで、経営のプロである小倉氏が、
福祉の分野における経営について、解説してくださっているのである。その経営のポイントは、良いものをつくることだけでは、経営は成り立たず、それをどのように販売いするか、流通させるか、という所に、もっと財と神経を使わなければ、良い経営はできないということである。売れる仕組みをどのように作るのかということである。

 実際、ヤマト福祉財団は、スワンという団体で、障害者の方を雇って、福祉と経営の問題を実践的に取り組んでおり、かなりの実績をあげておられる。月10万円近くの給料を払っている所もあるようである。

 ところで、日本においても、ソーシャルビジネスとか、社会起業家とか、福祉起業家とかという言葉がちらほら見られるようになってきている。社会全体が、単なる競争至上主義ではだめであるということを、認識しはじめている。そのような中で、福祉作業所が作り出す経済モデルは、今後の資本主義に対して、少なからずインパクトを与える可能性があるのではないかと思ったりする。市場に全く頼るのでもなく、かつ政府に依存するのでもない、第三の道と言えるものであろうか。例えばフェアトレードなどもそのような流れと言えるかもしれない。アメリカでは、例えば、ハーバードビジネススクールなどでは、社会起業のコースがとても人気だそうである。そのような流れの中から新たな経済モデルが出てくることを期待したい。

 かつては、プロテスタンティズムの倫理が資本主義の精神を生み出したとされているが、今日においても、キリスト教の倫理が、福祉の世界、そして、経済の世界において、新たな流れを作り出していく役割を果たしていったらすごいなと思う。クリスチャンは、世の光、地の塩なのだから。 
                                              ダン吉

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by covenanty | 2009-01-14 07:57 | 本・映画・ドラマ